アキュテイン内服中にレーザー治療は受けられますか??

Image

ヴィーナスコンセプトの岩下です。今回は、アキュテインについてです。

近年、重度ざ瘡患者のざ瘡瘢痕を予防するためのイソトレチノイン(アキュテイン)内服治療が海外で再認知されており、催奇形因子やうつ症状等のリスクは依然残るものの、日本国内においてもイソトレチノイン内服治療が増えていると思われます。

レーザー照射時の注意事項として、イソトレチノイン内服中の重度ざ瘡患者へのレーザー照射は最低6ヶ月間隔を空けること、とよく書かれています。これは、イソトレチノイン内服による光線過敏が報告されているからですが、光線過敏の惹起させる波長は紫外線領域の光で、皮膚レーザー治療で使われる可視光や赤外線領域の波長での報告はほとんど見られないかと思います。実際、イソトレチノイン内服治療中にレーザー脱毛を受けて、コントロール群と比較して、副作用の出現に差は見られなかったと近年報告があります。他のレーザーとの併用においても同様の報告が多いです。

Sukran SC, Gulsen TD. Safety of Laser Hair Removal in Patients Receiving Systemic Isotretinoin for Acne Vulgaris. Dermatologic Surgery 2021;47(11):1448-1452.

また、イソトレチノイン内服療法により、炎症後の色素沈着や肝斑が著明に改善したという報告も数報出ています。

Winhoven SM, Ahmed I, Owen CM, Lear JT. Postinflammatory hyperpigmentation in an Asian patient: a dramatic response to oral isotretinoin (13-cis-retinoic acid). Br J Dermatol 2005;152(2):368-9.

イソトレチノイン内服療法はメリット・デメリットの両方が報告されていますが、最近の研究においては、皮膚レーザー治療との併用による副作用のリスクは非常に低いという報告が多いようです。

Mirza FN, Mirza HN, Khatri KA. Concomitant use of isotretinoin and lasers with implications for future guidelines: An updated systematic review. Dermatologic Therapy 2020;33:e14022.