脱毛レーザー開発の一番の貢献者はいったい誰??

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ヴィーナスコンセプトの岩下です。


脱毛レーザーが世に出てから20年以上が経過していますが、最初にFDAから販売許可を得たのは1995年のサーモレーズ社製Qスイッチヤグレーザーでした。このレーザーはカーオン色素を併用するタイプで、レーザー脱毛としての実用性に欠けました。

その直後、ハーバード大ウェルマン研究室のMelanie Grossman、Rox Andersonらによるロングパルスルビーレーザーを用いたレーザー脱毛が1996年に臨床報告され、多く引用されています。Dr. Melanie Grossmanは2021年に若くして亡くなられています。

Grossman MC, Dierickx C, Farinelli WA, Flotte TJ, Anderson RR. Damage to hair follicles by normal-mode ruby laser pulses. J Am Acad Dermatol 1996;35:889-894.

この論文で用いられた機種は、パルス幅0.27msecのルビーレーザーでEpilaserという米国スペクトラムメディカルテクノロジー社製(のちにパロマ―メディカル社)でした。その後、ロングパルスアレキサンドライトレーザーやダイオードレーザー、ロングパルスヤグレーザーによる臨床例が報告されるようになり、現在に至ります。

器械の開発という点では、“Hair removal using optical pulses”という米国特許を取得したDr. Rox Andersonと、器械を提供したパロマ―メディカルが生みの親と言えるかもしれません。ただ、ルビーレーザーを用いた皮膚に対する臨床研究の歴史は古く、1960年代から行われており、日本でも大城クリニックの大城俊夫先生がルビーレーザーを米国から持ち帰られ1970年代から研究をされていた事実があります。その大城先生の論文で、有毛性母斑にルビーレーザーを照射して毛も抜けていることが報告されており、大城先生はハーバード大でも当時講義をされたことがあると伺ったことがあります。

Oshiro T, Maruyama Y. The ruby and argon lasers in the treatment of naevi. Ann Acad Med Singapore 1983. Apr. 12(2 Suppl):388-95.

自分としては、大城俊夫先生の貢献は脱毛レーザーの開発にとても大きかったと思っています。ちなみに、Dr. Rox Andersonの脱毛レーザーの特許は2016年に切れました。